2024年3月、小林製薬の紅麹サプリメント摂取者から腎障害などの健康被害が報告され、死者も出る事態となりました。機能性表示食品で初の死亡事例となったこの問題は、企業の責任、制度の欠陥、消費者の意識など、多くの課題を浮き彫りにしました。今回はニュースの内容をまとめてご紹介します。
小林製薬の対応に批判集中
- 最初の被害報告から公表まで2ヶ月以上かかり、情報公開の遅れが被害拡大に繋がった可能性も指摘されています。
- 会見での曖昧な説明や後手に回る対応に、「隠蔽体質」と批判が殺到しました。
- 最終的に会長・社長が辞任する事態となりましたが、信頼回復は容易ではありません。
機能性表示食品制度の課題
- 企業の責任で機能性を表示できる一方、安全性や品質管理の基準が曖昧で、企業任せになっている点が問題視されています。
- 今回の問題は、制度の「抜け穴」をついた商品が市場に出回っていた可能性を示唆しています。
- 消費者庁は制度の見直しに着手しましたが、安全性を確保するための抜本的な改革が求められます。
消費者の意識も問われる
- 「健康に良い」というイメージだけで、健康食品やサプリメントを安易に摂取してしまう消費者の意識も問題です。
- 機能性表示食品は医薬品とは異なり、過剰摂取による健康被害のリスクもあります。
- 健康食品やサプリメントの効果や安全性を見極める「情報リテラシー」を身につけることが重要です。
今回の問題は、健康食品やサプリメントに対する意識を大きく変える転換点となる可能性があります。企業は安全性や品質管理を徹底し、国は制度の欠陥を改善する必要があります。そして、消費者は健康食品と適切に向き合うことが求められています。
–2014年にはすでに海外で健康被害報告も–
紅麹サプリについては、2014年3月に欧州ですでに健康被害が報告され、国によっては販売禁止措置が取られていました。日本でも、より早い段階で注意喚起が行われていれば、被害を防げた可能性も否定できません。
今回の問題を教訓に、健康食品と真摯に向き合うことが重要です。
コメント