若年女性の痩身志向:美しさへの憧れが招く、食行動の歪みと疲労の蓄積

「痩せている方が綺麗」「スリムな体型に憧れる」

現代社会では、メディアの影響もあり、多くの女性が 痩身志向 を抱えています。

しかし、その願望が行き過ぎると、 健康 を損なう危険性も孕んでいることを忘れてはいけません。

今回は、東京農業大学が行った、若年女性の痩身志向に関する研究結果をもとに、その実態と 食行動 、 疲労 への影響について解説していきます。

研究概要:女子短大生463名を対象に、食生活、疲労、健康意識などを調査

この研究では、都市部の女子短期大学生463名を対象に、以下の項目についてアンケート調査を行いました。

  • 基本的属性: 年齢、所属学科・学年など
  • 身体計測: 身長、体重を測定し、BMIを算出
  • 生活時間調査: 授業のある平日の1日の生活時間を記録し、身体活動指数と睡眠時間を算出
  • 体重調節に関する意識と行動: 痩身志向、ボディイメージ、理想体重、ダイエット経験、ダイエット方法など
  • 疲労自覚症状: 日本産業衛生協会の調査票「疲労自覚症状しらべ」を用いて、30項目について調査
  • 健康と食生活に関する意識: 健康に対する意識、食習慣、自棄食い経験、食生活への配慮、食事時間の規則性、欠食行動など

研究結果:痩せ願望が強い若年女性は、食行動の歪みと疲労を抱えやすい?!

1. 痩身志向の実態:BMIが正常でも87.9%が「痩せたい」と回答

調査の結果、BMIが「やせ」または「正常」の女性は全体の92.2%を占めていました。

しかし、驚くべきことに、 87.9% の女性が 「痩せたい」 と回答しました。

つまり、BMIが正常範囲内であっても、多くの若年女性が 痩せ願望 を抱えていることが明らかになったのです。

さらに、痩身志向のある女性のうち、60.9%が ダイエット経験 があると回答。

ダイエット方法は、「食事の見直し」「食事制限」「特殊な食品の利用」「運動」などが挙げられました。

2. 理想と現実のギャップ:メディアの影響で体型認識が歪む?!

痩身志向のある女性の60.3%が、自分の体型を 「太っている」 と認識していることがわかりました。

しかし、実際のBMIは「やせ」または「正常」であるため、 現実よりも自分を太っている と捉えている傾向があると考えられます。

これは、テレビや雑誌などで目にする スリムな体型 のモデルやタレントの影響を受けて、 理想と現実のギャップ に苦しんでいる可能性を示唆しています。

3. 食行動への影響:過度な食事制限や自棄食いに繋がることも

痩身志向の強い女性は、 食生活 にも悪影響が出ている可能性があります。

  • 過度な食事制限: 必要以上に食事量を減らしたり、特定の食品を極端に避ける
  • 自棄食い: ストレスから、一度に大量の食べ物を食べてしまう

このような食行動の乱れは、 栄養バランス を崩し、 健康 を損なうだけでなく、 リバウンド を繰り返す 「ウエイトサイクリング」 に陥りやすくなることも懸念されます。

4. 疲労への影響:精神的なストレスが疲労を蓄積させる

痩身志向の強い女性は、痩身志向のない女性に比べて、 疲労 を感じやすい傾向があることがわかりました。

特に、「眠気」「だるさ」「足もとのふらつき」などの 身体的な疲労感 を訴える割合が高かったのです。

これは、痩身志向という 精神的なストレス が、 自律神経 のバランスを崩し、疲労を蓄積させている可能性を示唆しています。

痩身志向がもたらす負の連鎖を断ち切るために

今回の研究結果から、若年女性の痩身志向は、 食行動の歪み や 疲労の蓄積 を招き、 心身の健康 を脅かす可能性があることが明らかになりました。

この負の連鎖を断ち切るためには、以下のような対策が重要です。

  1. メディアリテラシー: メディアが作り出す理想の体型に惑わされず、 自分自身の体型を受け入れる
  2. 正しい食生活: 極端な食事制限ではなく、 バランスの取れた食事 を心がける
  3. ストレス解消: 運動や趣味など、 自分に合ったストレス解消法 を見つける
  4. 健康教育: 若年期から、 健康的な食生活 や 体型 について学ぶ機会を設ける

美しさは、健康な体があってこそ。

痩せることだけに囚われず、 心も体も健やかに いられるライフスタイルを目指しましょう。arrow_upwardadd_circle

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