「美肌は一日にしてならず」とはよく言ったもので、美しい肌を保つためには、毎日のスキンケアはもちろんのこと、 食生活 も非常に重要です。
バランスの取れた食事は、健康な体を作り、ひいては 肌の健康 にも繋がります。
逆に、食生活の乱れは、肌トラブルを引き起こす原因の一つ。
今回は、食生活と肌状態の関係について、神戸学院大学とポーラ化成工業株式会社が共同で行った研究結果を元に解説していきます。
食生活の実態調査:若年女性の栄養バランスに課題あり?!
この研究では、女子大学生119名を対象に、食生活に関するアンケート調査と肌状態の測定を行いました。
アンケート調査の結果、現代の若年女性の食生活には、以下のような問題点があることが明らかになりました。
- 脂肪の過剰摂取: 脂っこい食事や間食の増加により、脂肪の摂取量が増えている
- 魚の摂取不足: 魚を食べる機会が減り、n-3系脂肪酸の摂取量が不足している
- 栄養不足: 多くの栄養素で、推奨量を満たしていない人が多い
特に、n-6系脂肪酸 と n-3系脂肪酸 のバランスの乱れが深刻化していることがわかりました。
n-6系脂肪酸は、主に植物油に多く含まれる脂肪酸で、体内で炎症を引き起こしやすいため、過剰摂取は 肌トラブルのリスク を高めます。
一方、n-3系脂肪酸は、魚に多く含まれる脂肪酸で、抗炎症作用があり、 健康な肌 を保つために必要な成分です。
現代の食生活では、n-6系脂肪酸の摂取量が増え、n-3系脂肪酸の摂取量が減っているため、 n-6/n-3比率 が高くなっている傾向にあります。
肌状態への影響:栄養バランスの乱れがバリア機能低下やニキビに繋がる?!
研究では、栄養素の摂取量と肌状態の関係についても分析しました。
その結果、以下のような関連性が見つかりました。
- n-6/n-3比率が高い人ほど、経皮水分蒸散量(TEWL)が高い
TEWLとは、肌から蒸発する水分量のこと。
TEWLが高いということは、 肌のバリア機能が低下 していることを意味します。
n-6/n-3比率が高い、つまりn-6系脂肪酸の摂取量が多く、n-3系脂肪酸の摂取量が少ない人は、肌のバリア機能が低下し、 乾燥 しやすくなったり、 外部刺激 に弱くなったりする可能性があります。
- アラキドン酸やエイコサトリエン酸の摂取量が多い人ほど、ニキビができやすい
アラキドン酸はn-6系脂肪酸の一種で、エイコサトリエン酸はn-3系脂肪酸の一種です。
これらの脂肪酸は、皮脂の生成に関与しており、過剰に摂取すると 皮脂の分泌量が増加 し、ニキビができやすくなると考えられています。
食生活改善で美肌を目指そう!
今回の研究結果から、食生活は肌の状態に大きな影響を与えることが明らかになりました。
特に、 n-6系脂肪酸とn-3系脂肪酸のバランス が、肌のバリア機能やニキビに深く関わっていることが示唆されました。
美しい肌を保つためには、
- n-6系脂肪酸の摂取量を減らす:
- 揚げ物やインスタント食品など、脂っこい食事を控えめに
- サラダ油などの植物油の使用量を減らす
- n-3系脂肪酸の摂取量を増やす:
- 魚を積極的に食べる (週に2回以上を目安に)
- えごま油やアマニ油などのn-3系脂肪酸を多く含む油を摂取する
- バランスの取れた食事を心がける:
- 主食、主菜、副菜を揃え、様々な食材を食べる
- ビタミン、ミネラル、食物繊維もしっかり摂取する
といった食生活の改善が重要です。
外側からのケアだけでなく、 体の内側 から美肌を目指しましょう!
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