「最近、肌の調子が悪い…」
そんな悩みを抱える若年女性は少なくありません。
肌の美しさは、女性にとって大きな関心事。
しかし、高価な化粧品や美容法を試しても、なかなか効果を実感できないという声もよく聞かれます。
実は、肌の状態は、毎日のスキンケアだけでなく、 栄養 、 代謝 、 自律神経 など、様々な要因が複雑に絡み合って決まるものなのです。
今回は、岡山県立大学とポーラ化成工業株式会社が共同で行った、若年女性の肌状態に関する最新の研究結果をご紹介します。
この研究では、これまであまり注目されてこなかった、 体の中からの美肌アプローチ の可能性が示されました。
目次
研究の概要：肌状態と様々な要因の関係性を調査！
この研究では、皮膚疾患のない20～22歳の女子学生54名を対象に、以下の項目を調査しました。
- 肌状態: 角層細胞面積、角層水分量、経皮水分蒸散量を測定し、表皮代謝、保湿機能、バリア機能を評価
- 栄養素等摂取状況: 2日間の食事記録から、エネルギー、栄養素の摂取量を分析
- 生理学的検査: 体温、安静時エネルギー代謝、自律神経活動を測定
- 心理状態: 毎日の気分、時間のゆとり、ストレスの有無などを質問紙で調査
- 生活環境: 冷暖房の使用頻度、受動喫煙、紫外線暴露などについて質問紙で調査
- 生活習慣: 飲酒、喫煙、運動、睡眠、化粧・スキンケア習慣などについて質問紙で調査
研究結果：美肌のカギは「栄養」「代謝」「自律神経」のバランスにあり！
分析の結果、肌状態と以下の項目に関連性が見られました。
- 栄養素
- ビタミンA摂取量が多いほど、角層水分量が多い（保湿機能が高い）
- 炭水化物、ビタミンB1、野菜の摂取量が多いほど、経皮水分蒸散量が少ない（バリア機能が高い）
- 代謝
- 体温、安静時エネルギー代謝が高いほど、角層細胞面積が大きい（表皮代謝が活発）
- 自律神経
- 交感神経活動が高いほど、角層水分量が多い（保湿機能が高い）
- 心理状態
- 毎日楽しい気分で過ごしている人ほど、角層水分量が多く、経皮水分蒸散量が少ない（保湿機能、バリア機能が高い）
- 生活環境
- 自宅で冷暖房を頻繁に使用する人ほど、体温が低く、経皮水分蒸散量が多い（バリア機能が低い）
研究結果から見えてきた、美肌のための新常識
1. ビタミンA：肌の潤いを保つ「保湿ビタミン」
ビタミンAは、皮膚の健康維持に欠かせない栄養素。
皮膚の細胞の代謝を促し、バリア機能を高めることで、肌の潤いを保つ効果が期待できます。
今回の研究でも、ビタミンAの摂取量が多い人ほど、肌の水分量が多いという結果が出ています。
緑黄色野菜やレバー、うなぎなどに多く含まれるビタミンAを、積極的に食事に取り入れていきましょう。
2. 炭水化物・ビタミンB1・野菜：肌のバリア機能を高める
炭水化物は、体にとって重要なエネルギー源であると同時に、肌のバリア機能を高める効果も期待されています。
特に、米や小麦に含まれる 植物性セラミド は、肌の細胞間脂質を補い、バリア機能を強化する働きがあります。
また、ビタミンB1は、糖質の代謝を助ける栄養素。
炭水化物を効率よくエネルギーに変換することで、肌のターンオーバーを促進し、健康な肌作りをサポートします。
さらに、野菜に含まれる様々なビタミン、ミネラル、食物繊維は、体の内側から美肌を支えてくれる心強い味方。
バランスの取れた食事を心がけ、炭水化物、ビタミンB1、野菜を積極的に摂取しましょう。
3. 活発な代謝：肌のターンオーバーを促進！
体温や安静時エネルギー代謝が高い人は、それだけ体の代謝が活発ということ。
肌のターンオーバーも促進され、新しい細胞が生まれ変わりやすくなるため、健康で美しい肌を保ちやすくなります。
適度な運動は、代謝をアップさせるだけでなく、血行促進効果も期待できます。
運動習慣を取り入れることで、体の内側から美肌をサポートしましょう。
4. 自律神経のバランス：肌の血流を左右する
自律神経は、体温調節や血流など、体の様々な機能をコントロールしています。
交感神経が優位になると、血管が収縮し、血流が悪くなる傾向があります。
逆に、副交感神経が優位になると、血管が拡張し、血流が良くなります。
今回の研究では、交感神経活動が高い人ほど、肌の水分量が多いという結果が出ています。
これは、交感神経活動が活発な人ほど、代謝が良く、血行が促進されているためと考えられます。
ストレスや不規則な生活は、自律神経のバランスを崩す原因になります。
リラックスする時間を意識的に作り、自律神経を整えることで、肌の血流を改善し、美肌を目指しましょう。
5. 冷暖房の使いすぎに注意！
冷暖房の使いすぎは、体温調節機能を低下させ、自律神経のバランスを崩す原因になります。
また、急激な温度変化は、肌の乾燥を招き、バリア機能を低下させる可能性も。
冷暖房に頼りすぎず、適度な室温を保ち、衣服で調節するなど、工夫してみましょう。
6. ポジティブ思考が美肌を作る！
今回の研究では、「毎日楽しい気分で過ごしている人」ほど、肌の状態が良いという興味深い結果が出ています。
ストレスは、ホルモンバランスを崩し、肌トラブルを引き起こす原因の一つ。
逆に、心が満たされていると、肌もイキイキと輝きを増すと言えるでしょう。
趣味を楽しんだり、友人と会ったり、自分を喜ばせてくれる時間を持つなど、心身のリフレッシュを心がけましょう。
まとめ：肌は体の内側の鏡！
今回の研究結果から、若年女性の肌状態は、栄養、代謝、自律神経、心理状態、生活環境など、様々な要因が複雑に影響し合っていることがわかりました。
高価な化粧品や美容医療に頼るだけでなく、日々の食事や生活習慣を見直し、心身のバランスを整えることが、真の美肌への近道と言えるでしょう。
肌は体の内側の鏡。
今日からできることを一つずつ実践し、内側から輝く美しさを手に入れましょう！
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